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長胴太鼓の作り方

12/25/2003 16:53:58記


 2尺3寸の宮太鼓を製作しようという方に出したメールを加筆修正した物です。参考になりますでしょうか?

       
 欅は、産地によって全然違う性質になるそうです。聞くところでは、赤身の部分には、油質のものが含まれているようです。だから、乾くというより締っていくと言った方がいいのかもしれません。白身は、乾燥していきますから、硬くなっても、また水分をすっていくようです。
 
 今日、室内のコンクリートの上にじかに置いてあった欅を切って、締太鼓の胴を作っていたんですが、白木は、虫が食っていてボロボロでした。赤身は、乾燥していて硬かったです。つまりは、白木を放置すると、ダメになってしまうということだと思います。
   
 中を抜いて、寸胴にした状態のまま放置したことがないのですが、太鼓屋さんの倉庫には、そんな形の物は置いてありません。インターネットで見たものですが。ということは、最低でも、胴の形にしてから寝かせているようです。太鼓屋さんでは、伐採後3年は自然乾燥させているそうです。しかも、倉庫には、必要以上に出入りしないということでした。それだけ、デリケートなんですよね。
   
 私は、伐採後1年未満で革を張ってしまいます。ほとんど、寝かせません。というのも、すぐにほしいからです。使うのは、子どもたちなので、音が変わってきてもどうってことないからです。もし、ぼこぼこになったら、また、張り替えてやろうと思っています。また、締め直しができるように、耳を付けておくようにしています。不格好でもいいからです。今までに、2度張り替えした太鼓があります。素人が作ったらそんなもんだと思います。
 
 大太鼓は、縁をたたくので、歌口は、赤身の方がいいと思います。長さが短くなっても、そうすることをおすすめします。そして、チェーンソーでおおまかに切断して、太鼓の形にしていきます。白木は、できる限り少なくした方がいいでしょう。
  
 その後、電動カンナで綺麗にしていきます。真円にするのは、けっこう難しいですが、空間に橋を渡して、薄い木で作ったコンパスで円を書きながら、歌口を真円にします。カーブは、あてるものを作っておくといいでしょう。私は、目分量でするので、左右対称の形にできませんでした。
   
 外側が形になってきたら、磨く前に、内側の成形をします。これも、大変な作業です。私は、電動のチェーンソーで削っていきます。厚さを1寸くらいにするとちょうどいいようです。古い太鼓を修理したんですが、中が、波のように輪をかいているんです。これは、そうとう技術がいるみたいですが、ものすごくいい音がするので、チャレンジしてみるといいと思います。丸いノミを使うとできそうですが、電動工具でできたらいちばんいいのですが、どうやったらいいのか分からないので、ごめんなさい。写真は、もう一度やり直したときのものです。
 
 この状態で乾燥させておくといいようです。急激な温度変化や湿度変化の無いところで、下駄を履かせるようにしておくと通気性も良くひび割れができにくいようです。
 
 革を張る時期が来たら、胴を完成させます。乾ききっているから、硬くなっていますが、私がやったのは、回転式の電動サンダーに80番くらいのディスクを付けて、横に滑らせるようにして丸みを付けていきました。
   
10 その後、四角い電動サンダーで120番のサンドペーパーを付けて、磨いていきます。この時点で、ほとんど完成していないといけないわけです。最後に240番でサンドペーパーの細かい傷を磨いてお仕舞いです。
 
11 この後、歌口を付けます。斜めに内側に削るんですが、回転式のサンダーですると手際よくできました。昔の太鼓は、あまり角度を取ってありませんでした。その方が、歌口がしっかりしていていいのかもしれません。
 
12 胴が完成したら、着色します。私は、オイルステンのケヤキ色が好きなんですが、好みで黄色っぽい色もいいかもしれません。2回塗って深みを出すといいでしょう。
  
13 乾ききったら、ウッドシーラーを数回塗ります。これは、ラッカー薄め液なので、オイルステンが溶け出さないし、艶を出すにはもってこいでした。太鼓屋さんも使っているそうです。これは、サンディングシーラーとも言って、乾くたびに320番くらいのサンドペーパーで擦るとどんどん滑らかな鏡面仕上げができるんです。
  
14 最後に、ラッカーニスの無色のを塗って仕上げます。これは、ウッドシーラーを溶かすので、気を付けて塗らないとむらができます。私は、ペイントうすめ液のニスをかけてしまって失敗したんですが、ウッドシーラーは溶かさない代わりに、たたいたりすると割れてしまうことがあるようです。できれば、プロが使っているものをスプレーする方が綺麗に仕上がると思います。道具が必要なので私にはできませんでした。
 
15 胴ができあがったら充分乾燥して、金具を付けます。雲板と丸環と菊座が必要です。
 
16 金具の取り付け終わったら、革を張ります。革は、厚めのものをおすすめします。やはり和牛のいいものを使われた方がいいでしょう。少し高価ですが、東京のF商事で販売しているので問い合わせてみたらいいと思います。ホームページがあります。
 
17 まず、仮張りします。伸びる長さがどれくらいか厚さによって違うんですが、鏡面の長さの外側に5cmとって、そこからロープ掛けの棒を通す穴を開けます。これが2cmか3cmくらいです。そこから、内側へ曲げる部分を4cmくらい取ります。したがって、片方に11〜12cm必要です。700mmだと940mmの革がいることになります。私は、丸棒を使っていたんですが、昔は、竹でしていたことが多いと太鼓屋さんに教わって、乾燥した孟宗竹のロープ掛けを作って使いました。けっこう簡単にできます。丸棒は、樫木を使うようです。
 
18 内側に曲げるのは形を整えるのが難しいので、糸でかがっていきます。これは、何度も失敗しながら自分なりに考えたんですが、私のやり方は、三ヶ所を上から縫って止めていくものです。写真の竹は、少し小さすぎました。
19 針は、東急ハンズで購入しました。なかなか見つからなくてやっと見つけた針です。これくらいの太さがないと曲がってしまいます。糸は、大工さんが使う物らしいですが、ホームセンターで購入できます。
 
20 仮張りの時は、ゴミ袋をかけて水分をすわせないようにしました。仮張り用の太鼓が無いので傷つけないためでもあります。ロープが当りそうなところには段ボールをあてました。また、一番いいのは、革の切れ端を扇形に切って、ロープ掛けのある部分の革の下へつっこんでおくことです。これは、太鼓屋さんから教わったことです。
 
21 仮張りの道具としては、角材が6本(12個の場合)10cm角と下に置く木2本、丸い台が1つ(これは、大工さんなら作れるでしょう。本張りでは、もう1ついります。)、クレモナロープ(私は、市販の白いロープを使いました。10mmで長い方かな。二重にかける方がいいようです。)、つかまるところ(太鼓屋さんには、倉庫の上からロープが2本つってありました。)、ねじり棒(私は、市販の丸い木を使っています。25cm〜30cm12本)がいります。
 
22 ロープを順番にかけていって、革が均等になるようにします。慣れるまで何度でもやり直す方がいいと思います。最初が肝心です。ロープは、1周かけ終わってから2周目もあるだけかけます。全部あった方がいいようです。ねじり棒を少しずつ回していきます。限界まで回すよりも革の形を優先します。上に乗って、革を踏みます。踏み方は、いろいろですが、私は、かかとで丁寧に伸ばすようにしています。一度下りて、ねじり棒を締め直します。もう一度、つま先で踏みます。1分くらいでいいようです。もう一度、締め直して革が真っ直ぐになるように金槌でたたいたりして調節します。(これは私流です。プロはどうするのか知りません。)写真は、丸い台が無かったので四角い台でしています。
   
23 仮張りをした物が完全に乾いたら、本張りです。2枚とも同日に張れます。本張りは、ジャッキを使います。オイルジャッキの2トン用か4トン用が最低4個必要です。ばらばらでも何とかなります。10トン用のもあるのでそれでもいいようです。太鼓屋さんは、10トン用のを5個使っていました。ホームページで見た物は、4トンのを6個使っていました。私が使ったのは、2トンが1つ、4トンが2つ、回転式のが1つだったんですが、回転式のは、ほとんど役立たずでした。すぐに隙間ができてしまうんです。写真は、最後のところですが、革が大きすぎてあまってしまいました。薄い皮で伸びすぎたためです。上に白く見えているのはロープです。
 
24 本張りでは、革に少しだけ水をかけますが、漬けておくような事はしません。内側と外側にさっと水をかけるていどです。少ししみ込んだところで、すぐに胴にかぶせます。この時、あの扇形の革が必要です。胴を傷つけないためです。硬くなった革が直接当るとへこんだり傷を付けたりします。また乾ききっていないと塗装がはげることもあります。ロープをかけますが、均一に張力がかかるようにするのはけっこう難しいです。また、真円でないと革がうまく入らないときもあります。位置を覚えておくといいでしょう。ロープかけに印を付けておくと便利です。写真は、少し小さくなっていた革の状態です。濡らしたので、ちゃんと入りました。
 
25 ねじり棒であるていど締めます。この時、ロープかけの位置が真っ直ぐになっていなかったら、かけ直します。上に乗って、全体を踏みます。つま先で踏む方がいいと太鼓屋さんは言っていましたが、かかとの方が力が入るので音を聞きながら10分くらい踏んで下ります。ジャッキアップして、鋲を打つところと同じ所を木槌で打ちます。私は、傷つけそうなので、ゴムの槌でたたきました。こうすると、鏡面の革が振動でロープに引っ張られるようです。ぐるぐる回りながらたたいていって、再度ジャッキアップします。また、上に乗って踏みます。これを3回くらい繰り返すと、ほぼかんかんに締ります。音を聞いて、全体が同じ音になったら終わりです。途中で、鏡面を湿らせたり、ふちを湿らせたりして乾ききらないように注意します。
 
26 鋲を打ちます。間隔は、好みですが、1cmくらい開けて打つと綺麗です。私のは、少し開けすぎました。上の段が先か下の段が先かは好みです。私は、下の段をそろえました。このとき、先に線を書いておくんですが、私は、自分で考案したものを使いました。大工さんならうまくすじを書く道具があるのでそれを木材に固定すれば簡単に作れます。鋲を打っていくと最後がうまく入らないことがあります。最後の5つぐらいで間隔を調節し、最後の3つは、先に真ん中を打って、後から、その間を打つようにすると綺麗にそろいます。これは、太鼓屋さんに教わったことです。
   
27 革は、切ってしまってもいいのですが、私は、張り直しができるように切りませんでした。少々不格好でもその方が得策です。でも、切りたいのなら、四角いナイフがあると便利です。私は、専門店で購入したんですが、カッターナイフでもできないことはないです。革を切るタイミングは、乾いて縮まないようになってからがいいので、鋲を打ってから1時間くらいはそのままにした方がいいようです。濡れすぎた場合は、もっと時間がかかります。 
 
28 革が長すぎて、ずいぶんへたくそになってしまいました。今度張るときは、もうちょっと美しくしたいなあ。
 
29 太鼓は、地べたに置く物ではないので、台を作るのも大切です。大工さんに特性のを作ってもらっておくといいですね。太鼓ができたときには、乗せてやりたいですからね。
 
 
 
 こうやってみると、なかなかいいでしょう。太鼓は、台に乗せるとしっくりする物なんですね。
 
 大太鼓は、267年前の古太鼓を修理したものです。私が胴を抜いたのではありません。あしからず・・・。
 




























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